坂井田環作 自己紹介へ

「設計回顧録」ファイルNo.002

愛知県名古屋市 O様を紹介します。

【こだわり】
1)基礎配筋・形状及び防蟻処理。
2)仕上げ材から下地材に至るまで無垢材使用。
3)本格的な防音効果の施されたピアノ室。

【コメント】
O様は何事にも職業柄(研究所にお勤め)研究熱心な方で、私が作成した図面の余白部分に毎回打合せ事項や疑問点が余すところ無く書かれていました。いつも午前10時ごろ伺って打合せをさせていただきましたが、その一つ一つを説明して行くうちに、昼食の時間はいつも過ぎています、お互いに熱が入り時間の経つのを忘れるみたいです(笑)。ある日、奥様が「コンビ二でおにぎりを買って来たからいっしょに食べて」と出してくれました。そのおにぎりを片手にまた打合せが再開され、延々と夕方近くまで続きます・・・

1)当時ベースの配筋はシングルでしたがそれをダブル筋に、立ち上がり筋にフックを付けたりレベルUPしました。また防蟻処理の打合せの時
ご主人から「白蟻が基礎を登って来てあきらめて帰る高さはどれぐらい?」と言う質問をいただきました、返答に困った私は「白蟻の中にも元気のいい根性のある物や無い物もいます、実際のところは白蟻自身に聞いてみないと解りませんよね」と答えました(笑)。疑問に思った事は何でも聞かれるご主人です。皆様も是非見習って下さい。当時は良い防蟻の工法が無かったので、ご主人と打合せにより基礎の天端にフクビ製のアリダンテープを使用しました。現在は色々な方法がありますのでご相談下さい。

2)内装材についてもこだわりがありました。1階の床の仕上げに桐の無垢材を張ることになったのですが、その下地に通常は針葉樹合板の厚さ12?の物を用いるのですが、この合板が嫌だと言う事で、弊社で製材した桧の無垢材の厚さ15?の板を張ることになりました。私としては充分仕上げ材としても通用する物なので少し勿体無い気はしましたが、ご主人の満足そうなお顔を拝見すると納得がいきます、これがこだわりと言うことですね。

3)元々外断熱の家は気密性が良い家ですが、奥様がピアノの先生をなさってみえるので、本格的な防音効果、音響効果を兼ね備えた部屋を作ること、
また、グランドピアノが2台置ける広さの部屋を居間続きで配置することが課題でした。苦労しましたが何とかクリア出来ました。
「休みの日に私が弾くピアノの演奏を家族で聴いて過ごす時間が楽しい」と嬉しそうに語っていただいた奥様の笑顔が今でも思い浮びます。

また、点検に伺います、O様これからもよろしくお願いします。

【データ】
平成12年1月完成  延べ床面積 184.32?(55.86坪)
  第3種換気  ガスコンロ・ガス給湯機

 愛知県名古屋市で外断熱・「共和の家」を造る工務店
             設計  坂井田環作

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